図説 伊能忠敬の地図をよむ


冲方丁『天地明察』は『伊能忠敬の地図をよむ』の流用か?…… (佐藤賢一先生)2010-09-16 の検証その2。


参考文献に明記していないが、明らかな流用がある。「北極出地」の章はこれらの文献をもとに構成されている。あ、言っちゃった。俺、武士じゃぁねぇし。

 

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冲方丁『天地明察』は『伊能忠敬の地図をよむ』の流用か?…… (佐藤賢一先生)2010-09-16 の検証その1。

これはひどい!真っ黒。武士の情けじゃ、皆まで言うまい。

====以下「天地明察」文庫本(上)初版P203L12より引用
・・・象限儀が設置された。

移動用は象限儀のはずだが・・・。象限儀は天文台用の建築物の様ですよ。パクるならちゃんと読んで、きちんとパクってもらいたいものだ。はっ?毎日移築していた・・・それはご苦労様です。

====以下「伊能忠敬測量隊」P61L18より引用
                         ・・・象限儀自体は古くからある機器だが間重富らは
角度を読み取る目盛の部分を工夫し、現在でいう対角線目盛を採用し、角度で一分(一度の六〇分の一)まで
読み取ることができた。
                                            (嘉数次人)

西暦1800年の最先端ハイテク機器でこの程度である。従って、次の記述は誤りである。

====以下「伊能忠敬測量隊」P61L18より引用
しばらくして、子午線儀係が南中直前の注意を促す。「勾陳第三星、南中間近」
隊員に緊張が走る。
子午線儀係「勾陳第三星南中」
象限儀係「高度、四十五度〇九分一二秒」
記録係「勾陳第三星、四十五度〇九分一二秒。記録しました。」
                                       (嘉数次人、渡辺一郎)

どっかで見たぞ、この光景。

一分までしか読み取れないのだから、一二秒がわかるはずもない。百歩譲って、目盛間の目測をしたとしても10秒単位がせいぜいだ。ましてや、西暦1661年の機器で秒まで読み取れるわけがない。そもそもこのクラスの象限儀が1661年の日本に存在したかどうかもあやしいところだ。おまけに、間違えているところをパクってどうする。フィクションだからいいか。タイムパラドックスもんだったんだね。「天地明察」

単行本「天地明察」を、国内SFコーナーに配置した大手某書店の担当者の慧眼に感服。

 

— posted by nitobe at 11:45 am   commentComment [0] 

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