(文庫)天地明察訂正箇所確認#5 「招差術」


天地明察        2010/4/13Link
天地明察 招差術問題  2010/4/22Link
天地明察 招差術問題#2 2010/4/24Link

====以下単行本初版P236L3より引用
『今有如図大小星円十五宿。只云角亢二星周寸相併壱十寸。又云心尾星周寸相併廿七寸五分
重云虚危室壁五星周相併四十寸。問角星周寸』
====以下文庫本(上)初版P275L1より引用
『今有如図大小星円十四宿。 只云角亢二星周寸相併寸。 又云心尾星周寸相併壱拾
寸。 重云虚危室壁五星周相併四十五寸。 問角星周寸』

おみごと。ひょっとして、講談社のコミック担当編集に手伝ってもらった?
「重云女虚危室壁五星周相併四十五寸」単行本初版からだけど、文庫になっても「」抜けてるし。

====以下単行本初版P241L13より引用
 七分の三十寸。
 すなわち四寸二分八厘五毛七糸一忽四微……と続き、よって”有奇”と記して割り切れぬこ
とを示さざるを得ない数値。それを、しっかりと割り切れるように工夫した答え。
『四寸五分 関』

====以下文庫本(上)初版P281L4より引用
『答 七分ノ三十寸 関』

へえぇ。今度は工夫しないんだ。工夫すると、角=亢=四寸五分になっちゃうもんね。そりゃぁ困った。七分の三十寸、すなわち四寸二分八厘五毛七糸一忽四微有奇でもいいんだよね。金王八幡宮のオリジナル問題はこの形式だしね。

金王八幡宮 2010/4/24Link

book2
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この修正問題は、ただの等差数列に成り下がっている。ああ、情けない。散々いじくりまわしてこの為体だ。招差術なんていうのも烏滸がましいことこのうえない。等差数列だから条件も過剰。『今有如図大小星円十四宿。只云角亢二星周寸相併九寸。又云房心尾星周寸相併壱拾八寸。問角星周寸』で充分。このexcel sheet は逆行列で解いたけど、そんなことする必要もなし。暗算(私は筆算)でOK。中学一年の練習問題にはかろうじて使えるレベルだ。

解いてみよう。
an = pn + q を想定する。

a1 = p + q
a2 = 2p + q
a3 = 3p + q
a4 = 4p + q
a5 = 5p + q
a6 = 6p + q <--- 十四宿なんて不要。ここまでで充分。
:
a14 = 14p + q

題意より
a1 + a2    ~~~  3p + 2q = 9 ……(1)
a4 + a5 + a6  ~~~  15p + 3q = 18 ……(2)

(1)、(2)より
p = 3/7 , q = 27/7

故に
a1 = 30/7

更に言わせてもらえば、
『今有如図大小星円十四宿。只云心星周寸六寸。又云危星周寸九寸。問角星周寸』で充分。ああ、しょぼい。
an = pn + q を想定する。

a1 = p + q
a2 = 2p + q
a3 = 3p + q
:
:
a5 = 5p + q
:
a12 = 12p + q  <--- 十四宿なんて不要。ここまでで充分。
:
a14 = 14p + q

題意より
a5  ~~~  5p + q = 6 ……(1)
a12  ~~~  12p + q = 9 ……(2)

(1)、(2)より
p = 3/7 , q = 27/7

故に
a1 = 30/7

関係者、誰も気づいてない? 読者をバカにしている? 海老澤總右衛門正泰氏の算額をどこまで貶める? やっぱり、著者、担当、編集、校正、和算監修、揃って切腹もんである。介錯は角川の社長にお願いいたします。
おう、忘れてた。巻末解説の大御所もだ。

たぶん、コミックも映画も同様の修正問題であろう。おおいに笑わせていただこう。祝・雁首仲間入り。

 


— posted by nitobe at 09:13 pm   commentComment [3] 

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