官邸から見た原発事故の真実 これから始まる真の危機 (光文社新書)
メーカー・販売: 光文社
ISBN: 4334036619
定 価: ¥ 819
出版日: 2012-01-17
はじめに
第一部 官邸から見た原発事故の真実 13
福島原発事故が開いた「パンドラの箱」 14
原発事故、現在の「最大のリスク」は何か 20
「首都圏三千万人の避難」という最悪シナリオ 23
三月一五日東京駅の異様な光景 26
アメリカが首都圏避難を勧告しなかった理由 28
「幸運」に恵まれた福島原発事故 31
「冷温停止状態」の達成は入口に過ぎない 33
「安全」を語ることの自己催眠 36
楽観的空気が生み出す「最悪の問題」 38
「国民からの信頼」を回復できない理由 42
「身」を正し、「先」を読む 44
「汚染水処理」が生み出す新たな難問 46
原子力発電が背負う「宿命的問題」 49
原子力が軽視してきた「アキレス腱」 51
「絶対安全な原発」でも解決しない問題 53
放射性廃棄物問題の本質は何か 55
証明できない「十万年後の安全」 57
「技術」を超えた廃棄物の問題 59
国民の判断を仰ぐための「絶対的条件」 62
「原子力反対派」も直面する難問 63
政府が答えるべき「国民の七つの疑問」 65
第二部 政府が答えるべき「国民の七つの疑問」 69
第一の疑問 原子力発電所の安全性への疑問 70
「最高水準の安全性」という言葉の誤解 70
原子力の「安全思想」の落し穴 75
人的、組織的、制度的、文化的要因こそが原因 79
SPEEDIと環境モニタリングが遅れた理由 80
行政機構の「組織的無責任」 85
日本と全く違うアメリカの規制文化 87
省みるべき「経済優先の思想」 93
国民が納得しない「玄海原発の再稼働」 96
「暫定的な解決策」としてのストレステスト 99
「原子力安全庁」に問われるもの 101
国民の不信を増長する諸問題 104
「地元の了解」から「国民の納得」へ 106
浜岡原発が突き付けた「究極の問題」 108
「確率論的安全評価」の限界 110
「千年に一度」という言葉の怖さ 113
「確率値の恣意的評価」という落し穴 115
原子力の「最高水準の安全性」を実現するとは 118
「行政改革の突破口」でもある原子力の改革 120
第二の疑問 使用済み燃料の長期保管への疑問 122
「原発」の安全性とは「原子炉」の安全性のことか 122
「剥き出しの炉心」となる燃料プール 124
福島原発の「現在の潜在リスク」 126
「過去の常識」が通用しない災害 128
全国に飛び火する「燃料プール問題」 131
考えたくなかったシナリオ 133
燃料プールが直面する「次なる問題」 135
行き場の無い「使用済み燃料」 137
再処理工場の先に待ち受ける問題 139
第三の疑問 放射性廃棄物の最終処分への疑問 142
「煮ても焼いても」減らない放射能 142
「処分場選定」が必ず突き当たる社会心理 145
「中間貯蔵」というモラトリアム 147
NIMBYからNOPEへ 148
日本で広がるNIMBY心理 150
突如「現在の問題」になった高レベル廃棄物 153
「廃炉」という概念を超えた福島原発 156
前例と経験が皆無の「福島廃炉計画」 159
第四の疑問 核燃料サイクルの実現性への疑問 162
「蜃気楼計画」と揶揄される核燃料サイクル 162
「信頼」を失う「透明性の欠如」 164
「二つの問題」を分けるべき高速増殖炉計画 166
福島原発事故によって消えた地層処分の可能性 169
第五の疑問 環境中放射能の長期的影響への疑問 172
「直ちに影響はない」という言葉の社会心理 172
「除染」で放射能は無くならない 177
すべての環境は「除染」できない 179
「除染」は効果が分からない 180
「除染」を行う本当の理由 182
「精神的な被害」も「健康被害」 184
リスク・マネジメントへの「皮肉な批判」 186
「土壌汚染」の先に来る「生態系汚染」 189
理解されていない「モニタリングの思想」 190
第六の疑問 社会心理的な影響への疑問 192
最大のリスクは「社会心理的リスク」 192
「国民の知る権利」と「情報公開の原則」 194
なぜ放射能は社会心理的影響が大きいのか 196
原子力に携わる人間の「矜持」 199
「信頼」を失うほど増える「社会心理的リスク」 201
「社会心理的コスト」への跳ね返り 203
原子力が考慮しなかった「社会的費用」 206
第七の疑問 原子力発電のコストへの疑問 210
増大する原子力発電のコスト 210
除外されてきた原子力発電のコスト 211
算入ではなく考慮するべき「目に見えないコスト」 213
第三部 新たなエネルギー社会と参加型民主主義 217
「脱原発依存」のビジョンと政策 218
「政策」ではなく「現実」となる脱原発依存 220
TMI事故が止めた新増設 222
計画的・段階的・脱原発依存の意味 225
「現実的な選択肢」を広げることが政府の義務 227
現実的な選択肢を広げる「四つの挑戦」 230
「国民の選択」という言葉の欺瞞 233
二〇二一年三月一一日の「国民投票」 235
オープン懇談会がめざした「国民に開かれた官邸」 237
「観客型民主主義」から「参加型民主主義」へ 240
東日本大震災で芽生えた「国民の参加意識」 244
「参加型エネルギー」としての自然エネルギー 246
「政府と国民の対話」の新たなスタイル 248
五か月と五日の官邸で見た「現実」 250
謝 辞 258
まっとうだ。野田内閣はこの疑問に答える前に潰れてしまった。現内閣にこの疑問に答える意思はない。
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