Title  聞書集 きゝつけむにしたかひてかくへし  Subtitle  法花經廿八品  0001:     【珠】  序品 曼殊沙華 栴檀香風 つほむよりなへてにもにぬ花なれはこすゑにかねてかをるはるかせ  0002:  方便品 諸佛世尊唯以一大亊因縁故出現於世 あまのはらくもふきはらふかせなくはいててややまむ山のはの月  0003:  譬喩品 今此三界 皆是我有 其中衆生 悉是吾子 乳1   【は】           法2 ちもなくていわけなきみのあはれみはこののりみてそおもひしらるる  0004:  信解品 是時窮子 聞父此言 即大歡喜 得未曾有 よしの山うれしかりけるしるへかなさらてはおくの花を見ましや  0005:               【旡】   【憎】                     〔憎〕  藥草品 我觀一切 普皆平等 無有彼此 愛増之心                            【ほ】 ひき/\になはしろみつをわけやらてゆたかになかすすゑをとをさむ  0006:  授記品 於未來世 咸得成佛 お〕櫻3 をそさくら見るへかりけるちきりあれや花のさかりはすきにけれとも  0007:  化城喩品 願以此巧徳 普及於一切 我等與衆生 皆共成佛道    の1      〔お〕       蓮2 あきの野のくさのはことにをくつゆをあつめははすのいけたゝふへし  0008:    【ニ】  同品文に 第十六我釋迦牟尼佛於娑婆國中成阿耨多羅三藐三菩提 おもひあれやもちにひとよのかけをそへてわしのみ山に月のいりける  菩提心論之文心なるへし  0009:  弟子品 内祕菩薩行 外現是聲聞 【は】 〔は〕 いわせきてこけきる水はふかけれとくまぬ人にはしられさりけり  0010:       【旡】  人記品 壽命無有量 以愍衆生故 おもひありてつきぬいのちのあはれみをよそのことにてすきにけるかな  0011:  法師品 一念隨喜者我亦與授阿耨多羅三藐三菩提記 夏くさのひとはにすかるしらつゆも花のうへにはたまらさりけり  0012:            【陀】     【旡】  寶塔品 是名持戒 行頭〓者 則爲疾得 無上佛道 【〓:阜偏+(施−方)】 【ひ】 〔ひ〕 かゐなくてうかふよもなきみならまし月のみふねののりなかりせは  0013:  提婆品 我獻寶珠 世尊納受 いまそしるたふさのたまをえしことは心をみかくたとへなりけり  0014:             【旡】  觀持品 我不愛身命 但惜無上道 ねをはなれつなかぬふねをおもひしれはのりえむことそうれしかるへき  0015:  安樂行品 深入禪定 見十方佛 ふかきやまに心の月しすみぬれはかゝみによものさとりをそみる  0016:                        【旡】  涌出品 我於伽耶城 菩提樹下坐 得成最正覺 轉無上法輪                【は】                〔は〕 夏山のこかけたにこそすゝしきをいわのたゝみのさとりいかにそ  0017:       【旡】  壽量品 得入無上道 速成就佛身 わけいりしゆきのみ山のつもりにはいちしるかりしありあけの月  0018:  分別品 若坐若立若經行處 たちゐにもあゆくくさはのつゆはかり心をほかにちらさすもかな  0019:  隨喜品 如説而修行 其福不可限 からくにやをしへうれしきつちはしもそのまゝをこそたかへさりけめ  0020:  法師功徳品 唯獨自明了 餘人所不見 まして/\さとるおもひはほかならしわかなけきをはわれしるなれは  0021:  不輕品 億々萬劫 至不可議 時乃得聞 是法華經          【は】          〔は〕 よろつよをころものいわにたゝみあけてありかたくてそのりはきゝける  0022:  神力品 如來一切祕要之藏 くらふ山かこふしはやのうちまてに心をさめぬところやはある  0023:  囑〓品 佛師智慧如來智慧自然智慧 【〓:口+累】 さま/\にきそのかけちをつたひいりておくをしりつゝかへる山人  0024:        【竒】  藥王品 容顏甚奇妙 光明照十方 花をわくるみねのあさひのかけはやかてありあけの月をみかくなりけり  0025:  妙音品 正使和合百千萬月其面貌端正 我心さやけきかけにすむものをあるよの月をひとつみるたに  0026:  普門品 弘誓深如海 歴劫不思議 お】         【おほ】 お〕         〔おほ〕               網2 をしてるやふかきちかひのをゝあみにひかれむことのたのもしきかな  0027:   【ニ】  同品に 能伏災風火 普明照世間 ふかきねのそこにこもれる花ありといひひらかすはしらてやままし   此歌眞言可有見亊  0028:  陀羅尼品 乃至夢中 亦復莫惱 ゆめのうちにさむるさとりのありけれはくるしみなしとときける物を  0029:  嚴王品 又如一眼之龜値浮木孔 お】 お〕 をなしくはうれしからましあまのかはのりをたつねしうききなりせは  0030:  勸發品 濁惡世中其有受持是經典者我當守護           【ほ】           〔ほ〕 あはれみのなこりをはなをとゝめけりにこるおもひの水すまぬよに  0031:  無量義經          【を】          〔を〕 こののりの心はそまのおのなれやかたきさとりのふしわられけり  0032:  普賢經                          【む】 花にのるさとりをよもにちらしてや人の心にかをはしむらん  0033:  心經 はなのいろに心をそめぬこのはるやまことののりのみはむすふへき  0034:  阿彌陀經 はちすさくみきはのなみのうちいててとく覽のりを心にそきく  0035:  未法萬年 餘經悉滅 彌陀一教 利物偏増                              【む】 むろをいてしちかひのふねやとゝまりてのりなきをりの人をわたさん  0036:                【比】    【世】  一念彌陀佛 即滅無量罪 現受無此樂 後生清淨土 いろくつもあみのひとめにかゝりてそつみもなきさへみちひかるへき  0037:  極重惡人 無他方便 唯稱彌陀 得生極樂 なみわけてよするをふねしなかりせはいのりかなはぬなころならまし  0038:       【旡】【立】  若有重業障 無生淨土因 乘彌陀願力 即往安樂界 お】 お〕 をもきつみにふかきそこにそしつまましわたすいかたののりなかりせは  0039:  此界一人念佛名 西方便有一蓮生 但此一生成不退 此華還到此間迎 にしのいけに心の花をさきたててわすれすのりのをしへをそまつ  0040:         【旡】         【旡】  三界唯一心 心外無別法 心佛及衆生 是三無差別          〔お〕 ひとつねに心のたねのをひいてて花さきみをはむすふなりけり  0041:  若人欲了知 三世一切佛 應當如是觀 心造諸如來 しられけりつみを心のつくるにておもひかへさはさとるへしとは  0042:      【旡】  發心畢竟二無別 如是二心先心難 自未得度先度他 是故我禮初發心 いりそめてさとりひらくるをりは又おなしかとよりいつるなりけり  0043:                【旡】  流轉三界中 恩愛不能斷 棄恩入無爲 眞實報恩者 すてかたきおもひなれともすてていてむまことのみちそまことなるへき  0044:                    〔施〕  妻子珍寶及王位 臨命終時不隨者 唯戒及彌不放逸 今世後世爲伴侶 そのをりはたからの君もよしなきをたもつといひしことのははかり  0045:  雪山之寒苦鳥を よもすからとりのねおもふそてのうへにゆきはつもらてあめしをれけり  0046:  元日聞鶯 しめかけてたてたるやとのまつにきてはるのとあくるうくひすのこゑ  0047:  松上殘雪 はるになれはところ/\はみとりにてゆきのなみこすすゑのまつ山  0048: はこね山こすゑもまたや冬ならむふたみはまつのゆきのむらきえ  0049:  梅薫船中     【う】         【をらて】                 〔お〕 にほいくるむめのかむかふこちかせにをして又いつるふなとももかな  0050:  對梅待客     【う】 とめこかしむめさかりなる我やとをうときも人はをりにこそよれ  0051:  漸待花 くもにまかふ花のさかりをおもはせてかつ/\かすむみよしのの山  0052:  漸欲尋花          入1 またてたゝたつねをいらむ山さくらさてこそ花におもひしられめ  0053:  花待雨未開     【お】     〔お〕 はるはきてをそくさくらのこすゑかなあめのあしまつ花にやあるらむ  0054:  客來勸春興 君こすはかすみにけふもくれなまし花まちかぬる物かたりせて  0055:  浮海船尋花 こきいててたかしの山をみわたせはまたひとむらもさかぬしらくも  0056:  海波映花色                     【ひ】                     貝2                     〔ひ〕 花と見えてかせにをられてちるなみのさくらかゐをはよするなりけり  0057:  花下契後會 花をみてなこりくれぬるこのもとはちらぬさきにとたのめてそたつ  0058:  老人翫花                       【へ】  【む】                       〔へ〕 山さくらかしらの花にをりそへてかきりのはるのいゑつとにせん  0059:  老人見花 なかむ/\ちりなむことを君もおもへくろかみ山に花さきにけり  0060:  峯花似瀧 たきにまかふみねのさくらの花さかりふもとはかせになみたゝみけり  0061:  堺花主不定 ちりまさむかたをやぬしにさたむへきみねをかきれる花のむらたち  0062:  尋花至古寺             寺2 これやきくくものはやしのてらならむ花をたつぬる心やすめむ  0063:  尋花欲菩提                        【お】                         奧2                        〔お〕 花のいろのゆきのみやまにかよへはやふかきよしののをくへいらるる  0064:  寄花述懷 はなさへによをうきくさになりにけりちるををしめはさそふ山みつ  0065:                    老木3 花のいろにかしらのかみしさきぬれはみはおいきにそなりはてにける  0066:  戀似待花            【ほ】            〔ほ〕 つれなきを花によそへてなをそまつさかてしもさてやましとおもへは  0067:  霞似煙  【火】  〔火〕 花のひをさくらのえたにたきつけてけふりになれるあさかすみかな  0068:  花のちりけるを見てよみける いのちをしむ人やこのよになからまし花にかはりてちるみとおもはは  0069:                              【む】 山さくらさけはこそちるものはおもへはななきよにてなとなかりけん  0070:  卯花似雪 ゆきわけてとやまをいてしこゝちしてうの花しけきを野のほそみち  0071:  山家夏ふかしといへることをよみけるに 山さとはゆきふかゝりしをりよりはしけるむくらそみちはとめける  0072:  水邊柳 さとにくむふるかはかみのかけになりてやなきのえたも水むすひけり  0073:  郭公 あやめふくのきににほへるたちはなにほとゝきすなくさみたれのそら  0074: ほとゝきすくもりわたれるひさかたのさ月のそらにこゑのさやけさ  0075: うは】          【もの1】 むまたまのよるなくとりはなき物を又たくひなき山ほとゝきす  0076: よるなくにおもひしられぬほとゝきすかたらひてけりかつらきの神  0077:    【ほ】    〔ほ〕 まつはなをたのみありけりほとゝきすきくともなしにあくるしのゝめ  0078:                  藍2 うくいすのふるすよりたつほとゝきすあゐよりもこきこゑのいろかな  0079: ふゆきくはいかにそいひてほとゝきすいむをりのなかしてのたをさは  0080: こゑたてぬみをうの花のしのひねはあはれそふかき山ほとゝきす  0081: うの花のかけにかくるるねのみかはなみたをしのふそてもありけり  0082:       思2 あはれこもるおもひをかこふかきねをはすきてかたらへ山ほとゝきす  0083: わかおもふいもかりゆきてほとゝきすねさめのそてのあはれつたへよ  0084: つく/\とほとゝきすもや物をおもふなくねにはれぬさみたれのそら  0085:  月前郭公 さみたれのくもかさなれるそらはれて山ほとゝきす月になくなり  0086:  雨中待秋 はきかはにつゆのたまもるゆふたちははなまつあきのまうけなりけり  0087:  秋  あきの月をよみけるに あしひきのおなし山よりいつれともあきのなをえてすめる月かな  0088:       【お】       〔お〕 あはれなる心のをくをとめゆけは月そおもひのねにはなりける  0089: あきのよの月のひかりのかけふけてすそ野のはらにをしかなくなり  0090: むくらしくいほりのにはのゆふつゆをたまにもてなすあきのよの月  0091:  月前述懷 うきよとて月すますなることもあらはいかにかすへきあめのまし人  0092:  海上明月をいせにてよみけるに 月やとるなみのかひにはよるそなきあけてふたみをみるこゝちして  0093:  あきのうたに あきの野をわくともちらぬつゆなれなたまさくはきのえたををらまし  0094: 山さとはあはれなりやと人とははしかのなくねをきけとこたへむ  0095: ふるさとをたれかたつねてわけもこむやへのみしけるむくらならねは  0096:             【み】 みやこうとくなりにけりとも見ゆるかなむくらしけれるみちのけしきに  0097:  老人述懷 としたかみかしらにゆきをつもらせてふりにけるみそあはれなりける  0098: ふけにける我みのかけをおもふまにはるかに月のかたふきにける  0099: ちる花もねにかえりてそ又はさくおいこそはてはゆくへしられね  0100:  古郷歳暮               【お】               〔お〕 むかしおもふにはにうききをつみをきて見しよにもにぬとしのくれかな  0101:  海邊眺望         【お】         〔お〕 心やる山なしとみるをふのうらはかすみはかりそめにかゝりける  0102:  かすみを                  【も】       【らむ】 よしの山こすゑのそらのかすむにてさくらのえたもはるしりぬ覽  0103:  五條三位入道のもとへ いせよりはまゆふつかはし  けるに はまゆふに君かちとせのかさなれはよにたゆましきわかのうらなみ  0104:  かへし              【尺】               釋阿 はまゆふにかさなるとしそあはれなるわかのうらなみよにたえすとも  0105:  いせにて神主氏良かもとより 二月十五日の夜くも        【を】お】          〔お〕  りたりけれはまうしをくりける               氏良 こよひしも月のかくるゝうきくもやむかしのそらのけふりなるらむ  0106:  かへし かすみにしつるのはやしはなこりまてかつらのかけもくもるとをしれ  0107:  あさからすちきりありけるひとの みまかりけるあ   【を】               【ほ】   〔を〕               〔ほ〕  とのおとこ心のいろかはりて、むかしにもとをさか  るやうにきこえけり ふるさとにまかりけるに に    霜2  はのしもを見て をりにあへは人も心そかはりけるかるゝはにはのむくらのみかは  0108: あはれ見えしそてのつゆをはむすひかへてしもにしみゆく冬かれの野へ  0109:                             【む】 なきあとをたれとふへしとおもひてか人のこゝろのかはりゆくらん  0110:  はかにまかりて      【を】       【え】      〔を〕       〔え〕 おもひいてしおのへのつかのみちたへてまつかせかなしあきのゆふやみ  0111: あさちふかくなりゆくあとをわけいれはたもとこそまつつゆはちりける  0112:  かへりまうてきて をとこのもとへ なきかけにも  かくやとおほえ侍りつると まうしつかはしける おもひいててみ山おろしのかなしさをとき/\たにもとふ人もかな  0113:  おなしさまのなけきしける人とふらひけるに なきあとのおもかけをのみみにそへてさこそは人のこひしかるらめ  0114:              【を】  ひむかし山にしみつたにとまうすやまてらによのか  れてこもりゐたりける人のれいならぬこと大亊なり  ときゝてとふらひにまかりたりけるに あとのこと              【お】              〔お〕  なとおもひすてぬやうに申しおきけるをきゝてよみ  侍りける               【お】               〔お〕 いとへたゝつゆのことをもおもひをかてくさのいほりのかりそめのよそ  かく申したりけるをききて なにこともおもひすて  てをはりよく侍りけり  0115:  わかなによせてこひをよみける なゝくさにせりありけりとみるからにぬれけむそてのつまれぬるかな  0116:  忍戀 ふかみとり人にしられぬあしひきの山たち花にしける我こひ  0117:      【は】      〔は〕 こけふかきいわのしたゆく山水はまくらをつたふなみたなりけり  0118:  涙顯戀 ふりほしてそてのいろにはいてましやくれなゐふかきなみたならすは  0119:  船中戀      松浦3 こかれけむまつらのふねの心をはそてにかゝれるなみたにそしる  0120:  雪中戀 君すまはかひのしらねのおくなりとゆきふみわけてゆかさらめやは  0121:  寄筏 はやせかはなみにいかたのたゝまれてしつむなけきを人しらめやは  0122:  熊野御山にて兩人をこふと申すことをよみけるに人  にかはりて なかれてはいつれのせにかとまるへきなみたをわくるふたかはの水  0123:  ゆきこうはいをうつむ           【う】      香1 いろよりはかはこき物をむめの花かくれむものかうつむしらゆき  0124:      【う】       【色2】 ゆきのしたのむめかさねなるきぬのいろをやとのつまにもぬはせてそみる  0125:  月 あはれいかにゆたかに月をなかむらむやそしまめくるあまのつりふね  0126:       【ひ】                【え】      吹飯3 潟2       〔ひ〕 ちとりなくふけゐのかたをみわたせは月かけさひしなにはつのうら  0127:  こほりかはのみつをむすふといふことを     【お】     〔お〕              鎖2 かはわたにをの/\つくるふししはをひとつにくさるあさこほりかな  0128:  花歌十首人々よみけるに うくひすのなくねにはるをつけられてさくらのえたやめくみそむらむ  0129: 山人に花さきぬやとたつぬれはいさしらくもとこたへてそゆく  0130:                          【む】 かすみしくよしののさとにすむ人はみねの花にや心かくらん  0131:          【ほ】          〔ほ〕 花よりはいのちをそなををしむへきまちつくへしとおもひやはせし  0132: はることのはなに心をなくさめてむそちあまりのとしをへにける  0133:     【お】     〔お〕 ひとときにをくれさきたつこともなくきことに花のさかりなるかな  0134:              【お】          【む】              〔お〕 さかりなるこの山さくらおもひをきていつち心の又うかるらん  0135: よしの山くもと見えつる花なれはちるもゆきにはまかふなりけり  0136: よしのやまくももかゝらぬたかねかなさこそは花のねにかへりなめ  0137: みなかみに花のゆふたちふりにけりよしののかはのなみのまされる  0138:  論の三種の菩提心のこゝろ  勝義心         【ハ】      谷2 〔ハ〕          山2 イカテワレタニノイワネノツユケキニクモフムヤマノミネニノホラム  0139:  行願心 オ】      【オ】                         白河4 オ〕      〔オ〕               〔ハ〕 ヲモハスハシノフノヲクヘコマシヤハコヱカタカリシシラカワノセキ  0140:  三摩地   【オ】   〔オ〕 ヲシミヲキシカヽルミノリハキカサリキワシノタカネノ月ハミシカト  0141:  論文        【ノ】  八葉白蓮一肘間の心ヲ  【オホ】                        【ン】     二上山6  〔オホ〕 クモヲヽフフタ力ミヤマノ月カケハコヽロニスムヤミルニハアルラム  0142:  若心決定如教修行 不越干坐三摩地現前 分2 ワケイレハヤ力テサトリソアラハルヽ月ノカケシクユキノシラヤマ  0143:  若人求佛惠文            【オ】            〔オ〕      御法3 タラチネノチフサヲソケフヲモヒシルカヽルミノリヲキクニツケテモ  0144:  十樂  聖衆來迎樂 ヒトスチニコヽロノイロヲソムルカナタナヒキワタルムラサキノクモ  0145:  蓮花初開樂      【ホ】      〔ホ〕 ウレシサノナヲヤコヽロニノコラマシホトナクハナノヒラケサリセハ  0146:  身相神通樂              身1 ユキテユカスユカテモユケルミニナレハホカノサトリモホカノコトカハ  0147:  五妙境界樂       無漏2 イトヒイテテムロノサカヒニイリシヨリ■■ミルコトハサトリニソナル  0148:  快樂無退樂                【ホ】       【オ】      法2        〔ホ〕       〔オ〕 ユタカナルノリノコロモノソテモナヲツヽミカヌヘキワカヲモヒカナ  0149:  引接結縁樂     【オ】     〔オ〕  清水3 スミナレシヲボロノシミツセクチリヲカキナカスニソスヱハヒキケル  0150:  聖衆倶會樂                        【オ】 枝2                     〔オ〕 ヱタカハシツハサナラヘシチキリタニヨニアリカタクヲモヒシモノヲ  0151:           板2 イケノウヘニハチスノイタヲシキミテテナミヰルソテヲカセノタヽメル  0152: サマ/\ニカヲレルハナノチルニハニメツラシクマタナラフソテカナ  0153:  見佛聞法樂                   妙2 コヽノシナニカサルスカタヲミルノミカタヘナルノリヲキクノシラツユ  0154:  隨心供佛樂 花2 ハナノカヲサトリノマヘニチラスカナワカコヽロシルカセモアリケリ  0155:  増進佛道樂 イロソムルハナノエタニモスヽマレテコスヱマテサクワカコヽロカナ  0156:  花 タレナラムヨシノノヤマノハツハナヲワカモノカホニヲリテカヘレル  0157: ヤマサクラチラヌマテコソヲシミツレフモトヘナカセタニカハノミツ  0158:  海上月      明石3 ヨモスカラアカシノウラノナミノウヘニカケタヽミオクアキノヨノツキ  0159:  古郷月 イニシヘノカタミニナラハアキノツキサシイルカケヲヤトニトヽメヨ  0160:  月             【フ】 【オ】      岸2     這1             〔フ〕 〔オ〕 ナニハエノキシニソナレテハウマツヲヲトセテアラフ月ノシラナミ  0161:  冬ウタニ ハツユキハフユノシルシニフリニケリアキシノ山ノスキノコスヱニ  0162:       竹2 戸1 むくらかれてたけのとあくる山さとに又みちとつるゆきつもるめり  0163:  我見人不知戀 余吾2 よこのうみのきみを見しまにひくあみのめにもかゝらぬあちのむらまけ  0164:    【お】    〔お〕  はしめをろかにてすゑ増戀                    【は】【お】                    〔は〕〔お〕 我こひはほそたにかはのみつなれやすゑにいわわるをときこゆなり  0165:  嵯峨にすみけるにたはふれ歌とて人々よみけるを  【ゐ】               【お】             麥笛4             臥2  〔ゐ〕               〔お〕 うなひこかすさみにならすむきふえのこゑにをとろく夏のひるふし  0166: むかしかないりこかけとかせしことよあこめのそてにたまたすきして  0167:  【う】 竹馬4 たけむまをつゑにもけふはたのむかなわらはあそひをおもひいてつつ  0168: むかしせしかくれあそひになりなはやかたすみもとによりふせりつつ  0169: 篠    雀弓5           〔ゑ〕 しのためてすゝめゆみはるをのわらはひたひえほしのほしけなるかな  0170:                   老1 我もさそにはのいさこのつちあそひさておひたてるみにこそありけれ  0171:                    【ひ】                    〔ひ〕 たかをてらあはれなりけるつとめかなやすらい花とつゝみうつなり  0172:                    【ゐ】                    〔ゐ〕 いたきかなしやうふかふりのちまき馬はうなひわらはのしわさと覺えて  0173:     【お】     〔お〕 いりあひのをとのみならす山てらはふみよむこゑもあはれなりけり  0174: こひしきをたはふれられしそのかみのいはけなかりしをりのこゝろは  0175:        【お】 石2        〔お〕 いしなこのたまのをちくるほとなさにすくる月日はかはりやはする  0176: いまゆらもさてにかゝれるいさゝめのいさ又しらすこひさめのよや  0177:  【は】             立石4  〔は〕 ぬなわはふいけにしつめるたていしのたてたることもなきみきはかな  0178:  花の歌ともよみけるに                            【む】 ときはなや人よりさきにたつぬるとよしのにゆきて山まつりせん  0179: 山さくらよしのまうての花しねをたつねむ人のかてにつゝまむ  0180:                  【ゑ】                       岩2                  〔ゑ〕 たにのまもみねのつゝきもよしの山花ゆへふまぬいはねあらしを  0181: 山さくら又こむとしのはるのためえたをることはたれもあなかま  0182: いまもなしむかしもきかすしきしまやよしのの花をゆきのうつめる  0183: くれなゐのゆきはむかしのことときくに花のにほひにみつるはるかな  0184: 花さかり人もこきこぬふかきたにになみをそたつるはるの山かせ  0185: おもひいてに花のなみにもなかれはやみねのしらくもたきくたすめり  0186:                        【ほ】                        〔ほ〕 ときはなるはなもやあるとよしの山おくなくいりてなをたつねみむ  0187:                  【ゑ】                  〔ゑ〕 よしの山おくをもわれそしりぬへき花ゆへふかくいりならひつゝ  0188:  夏の歌に         【ゑ】         〔ゑ〕 うの花をかきねにうへてたち花のはなまつものを山ほとゝきす  0189: さみたれてぬまたのあせにせしかきは水もせかれぬしからみのしは  0190:                        【ふ】                        〔ふ〕 なかれやらてつたのほそえにまくみつはふねをそむやうさみたれのころ  0191: 【は】                           具1 〔は〕 さわ水にほたるのかけのかすそそふわかたましひやゆきてくすらむ  0192: おほえぬをたかたましひのきたるらむとおもへはのきに螢とひかふ  0193:          敷1   池2 なか/\にうきくさしける夏のいけは月すまねともかけそすゝしき  0194:                【む】 さえもさえこほるもことにさむからんひむろの山のふゆのけしきは  0195: そこすみてなみこまかなるさゝれみつわたりやられぬ山かはのかけ  0196:  よろつのことよみける歌に  【お】                【ほ】  〔お〕                〔ほ〕 さかをろすたていしさきのしらなみはあしきしをにもかゝりけるかな  0197:    〔ほ〕 ふりすなをすゝかになるゝやまたちはきこえたかきもとりところかな  0198:  地獄ゑを見て みるもうしいかにかすへき我心かゝるむくいのつみやありける  0199:                              【む】 あはれ/\かゝるうきめをみる/\はなにとてたれもよにまきるらん  0200:      【ひ】  【お】      〔ひ〕  〔お〕 うかるへきつゐのおもひををきなからかりそめのよにまとふはかなさ  0201: うけかたき人のすかたにうかみいててこりすやたれも又しつむへき  0202: このみみしつるきのえたにのほれとてしもとのひしをみにたつるかな  0203: くろかねのつめのつるきのはやきもてかたみにみをもほふるかなしさ  0204: お】 【は】                   【報い3】 重2    百尋4 お〕 〔は〕                     〔い〕 をもきいわをもゝひろちひろかさねあけてくたくやなにのむくひなるらむ  0205:   【は】               破l  すなわとまうす物うちてみをわりけるところを           杣木3  斧2 つみ人はしての山邊のそまきかなをののつるきにみをわられつゝ  0206: ひとつみをあまたにかせのふききりてほむらになすもかなしかりけり  0207:                         【は】      舌2  苦1             言1                         〔は〕 なによりはしたぬくくこそかなしけれおもふことをもいわせしのはた  0208:               【み】               女3  くろきほむらのなかにをとこをむなもえけるところを                          【い】                          〔い〕 なへてなきくろきほむらのくるしみはよるのおもひのむくひなるへし  0209:    【ほ】    〔ほ〕           湯1           身1 わきてなをあかゝねのゆのまうけこそ心にいりてみをあらふらめ  0210: 塵灰4 ちりはひにくたけはてなはさてもあらてよみかへらすることのはそうき  0211:      乳房3               苦1 あはれみしちふさのこともわすれけり我かなしみのくのみおほえて  0212:                 【お】  【ほ】                 〔お〕  〔ほ〕 たらちをのゆくへをわれもしらぬかなをなしほのをにむせふらめとも  0213:     【お】          【ほ】     〔お〕          〔ほ〕  こゝろををこすえんたらはあひのほのをのなかにて  もと申すことをおもひいてて                    【お】             苦2                    〔お〕 ひまもなきほむらのなかのくるしみもこゝろをこせはさとりにそなる  0214:  あみたのひかり願にまかせて 重業障のものをきら                     【へ】                     〔へ〕  はす地獄をてらしたまふにより 地獄のなかえの湯     池2  清冷のいけになりて はちすひらけたるところを   かきあらはせるを見て ひかりさせはさめぬかなへのゆなれともはちすのいけになるめるものを  0215:                   【所3】  みかはの入道 人すゝむとてかゝれたるところに            【お】    【ふ】           〔お〕    〔ふ〕  たとひ心にいらすともをして信しならうへし この  道理をおもひいてて しれよ心おもはれねはとおもふへきことはことにてあるへきものを  0216: お】                    【ひ】 お〕                    〔ひ〕 をろかなる心のひくにまかせてもさてさはいかにつゐのおもひは  0217:  えむまの廳をいてて 罪人をくして こくそつまか   乾3  るいぬゐのかたにほむらみゆ 罪人いかなるほむら    【卒】      【お】          汝3    〔卒〕      〔お〕  そと獄率にとふ なむちかをつへき地獄のほむらな    【卒】      【申す1】    〔卒〕  りと獄卒の申をきゝて 罪人をのゝきかなしむと   ちういん僧都と申しし人説法にし侍りけるをおもひ  いてて        【ゑ】        〔ゑ〕 とふとかやなにゆへもゆるほむらそと君をたききのつみのひそかし  0218:      【は】               【手】      〔は〕 ゆくほとはなわのくさりにつなかれておもへはかなしてかしくひかし  0219:  かくてちこくにまかりつきて ちこくの門ひらかむ        【ゑ】        〔ゑ〕  とて 罪人をまへにすへてくろかねのしもとをなけ  やりて 罪人にむかひてこくそつつまはしきをしか  けていはく このちこくいてしことはきのふけふの  ことなり いてしをりに又かへりくましきよしかへ  す/\をしへき ほとなくかへりいりぬること 人  のするにあらす なむちの心のなむちを又かへしい  るゝなり 人をうらむへからすと申て あらきめよ  り涙をこほして ちこくのとひらをあくるおと 百   【雷4】 【お】        〔お〕  千のいかつちのをとにすきたり            【お】            〔お〕 ここそとてあくるとひらのをときゝていかはかりかはをのゝかるらむ  0220:                【は】  【ほ】                〔は〕  〔ほ〕  さてとひらひらくはさまより けわしきほのをあら   【てて1】      【お】              〔お〕  くいて さい人のみにあたるをとのおひたたしさ                【ほ】               〔ほ〕  申しあらはすへくもなし ほのをにまくられて 罪  人ちこくへいりぬ とひらたててつよくかためつ   こくそつうちうなたれてかへるけしき あらきみめ  にはにすあはれなり かなしきかなや いついつへ        苦1  しともなくてくをうけむことはたゝちこく菩薩をた  のみたてまつるへきなり その御あはれみのみこそ   あか月ことにほむらのなかにわけいりて かなしみ  をはとふらうたまふなれ 地獄菩薩とは地藏の御名  なり  【ほ】  〔ほ〕 ほのをわけてとふあはれみのうれしさをおもひしらるゝ心ともかな  0221: さりともなあか月ことのあはれみにふかきやみをもいてさらめやは  0222:                   【ほ】                   〔ほ〕 くるしみにかはるちきりのなきまゝにほのをとともにたちかへるかな  0223:      南無2         奈落3    苦1 すさみ/\なもととなへしちきりこそならくかそこのくにかはりけれ  0224: あさひにやむすふこほりのくはとけむむつのわをきくあか月のそら  0225:        【お】     【む】              西東6        〔お〕  よのなかに武者をこりて にしひんかしきたみなみ  いくさならぬところなし うちつゝき人のしぬるか    【お】    〔お〕  すきくをひたゝし まことともおほえぬほとなり   こはなにことのあらそひそや あはれなることのさ  まかなとおほえて   【やま1】                 亡1 しての山こゆるたえまはあらしかしなくなる人のかすつゝきつゝ  0226:                 【む】  武者のかきりむれてしての山こゆらん 山たちと申 【お】 〔お〕  をそれはあらしかしと このよならはたのもしくも             【う】              馬筏5  や 宇治のいくさかとよ むまいかたとかやにてわ  たりたりけりときこえしこと おもひいてられて                【う】 しつむなるしての山かはみなきりてむまいかたもやかなはさるらむ  0227:        【死】  木曾2  きそと申武者 しに侍りにけりな きそ人はうみのいかりをしつめかねてしての山にもいりにけるかな  0228:  上西門院にてわかき殿上人の人々 兵衞のつほねに  あひ申て 武者のことにまきれて うたおもひいつ  る人なしとて 月のころ うたよみ連歌つゝけなむ  とせられけるに 武者のこといてきたりけるつゝき  の連歌に いくさをてらすゆみはりの月                      【局3】  伊せに人のまうてきて かゝる連歌こそ兵衞のつほ  ねせられたりしか いひすさみて つくる人なかり   【語2】  きとかたりけるをきゝて 心きるてなるこほりのかけのみか  0229:  申へくもなきことなれとも いくさのをりのつゝき  なれはとて かく申ほとに 兵衞のつほね 武者の  をりふしうせられにけり ちきりたまひしことあり      【哀2】【覺2】  しものをとあはれにおほえて さきたゝはしるへせよとそちきりしにおくれておもふあとのあはれさ  0230:  佛舎利おはします 我さきたゝはむかへたてまつれ  とちきられけり     【お】       【お】     〔お〕       〔お〕 なきあとのをもきかたみにわかちをきしなこりのすゑを又つたへけり  0231:  中有の心を           【む】                   (ひとくせて) いかはかりあはれなるらんゆふまくれたゝひとりゆくたひのなかそら  0232: みつせかはみつなき人はこゝろかなしつむせにまたわたりかゝれる  0233:  醍醐に東安寺と申て理性房の法眼の房にまかりたり      【は】          例2      〔は〕  けるに にわかにれいならぬことありて 大亊なり  けれは 同行に侍りける上人たちまてきあひたりけ  るに ゆきのふかくふりたりけるをみて 心におも  ふことありてよみける      雪2 たのもしなゆきをみるこそしられぬるつもるおもひのふりにけりとは  0234:  かへし                西住上人                    四方2 さそな君こゝろの月をみかくにはかつ/\よもにゆきそしきける  0235:  北山寺にすみ侍りけるころ れいならぬことの侍り  けるに ほとゝきすのなきけるをきゝて                              【む】 ほとゝきすしての山ちへかへりゆきてわかこえゆかむともにならなん  0236:  をりにつけたる歌よみけるに とにかくにはかなきよをもおもひしりてかしこき人のなとなかるらむ  0237: よしあしの人のことをはいひなからわかうへしらぬよにこそありけれ  0238:           【お】               入1    穴2           〔お〕 されはよとみる/\人のをちそいるおほくのあなのよにはありける  0239:             舟2          磯2 とまりなきこのころのよはふねなれやなみにもつかすいそもはなれぬ  0240:  花の歌ともよみけるに        【を】        〔を〕 よしの山こそのしほりのみちかへてまたみぬかたのはなをたつねむ  0241:  (宮)    匂2 月はみやこ花のにほひはこしのやまとおもふよかりのゆきかへりつゝ  0242: はなちりてくもはれぬれはよしの山こすゑのそらはみとりにそなる  0243: はなちりぬやかてたつねむほとゝきす春をかきらしみよしのの山  0244:                 【へ】                 〔へ〕  五條の三位入道そのかみおほ宮のいゑにすまれける        【む】        〔む〕  をり寂然西住なんとまかりあひて 後世のものかた              【世】  り申けるついてに 向花念淨土と申ことをよみける  に                   【はな1】             (や) 心をそやかてはちすにさかせつるいまみる花のちるにたくへて  0245:  かくてものかたり申つゝ連歌しけるに あふきにさ    【お】    〔お〕  くらををきて さしやりたりけるをみて                家主顯廣 あつさゆみはるのまとゐに花そみる  とりわきつくへきよしありけれは  【しし1】       〔ほ〕 やさしことになをひかれつゝ  0246:  花ゆきににたりといふことを あるところにてよみ  けるに                           【む】 比良2 ひらの山はるもきえせぬゆきとてや花をも人のたつねさるらん  0247:  郭公を 我そまつはつねきかましほとゝきすまつこゝろをもおもひしられは  0248: たち花のさかりしらなんほとゝきすちりなんのちにこゑはかるとも  0249: よそにきくはおほつかなきにほとゝきすわかのきにさくたち花になけ  0250:  連夜聞水鷄 たけのとをよことにたゝくくひなかなふしなからきく人をいさめて  0251:  〔林〕  雙輪寺にて 松河にちかしといふことを人々のよみ  けるに ころもかはみきはによりてたつなみはきしのまつかねあらふなりけり  0252:  戀 あひそめてうらこきこひになりぬれはおもひかへせとかへされぬかな  0253: なけきよりしフるなみたのつゆけきにかこめにものをおもはすもかな  0254:  冬夜戀                    【え】                    冱1                    〔え〕 こぬよのみとこにかさねてからころもしもさへあかすひとりねのそて  0255:  としたか よりまさ せか院にて老下女をおもひか               【ゐ】            【む】               〔ゐ〕  くる戀と申ことをよみけるにまいりあひて いちこもるうはめおうなのかさねもつこのてかしはにおもてならへん  0256:                    【蓮】  覺雅3                    〔蓮〕  かくか僧都の六條の房にて忠季宮内大輔登連法師な  むと歌よみけるにまかりあひて さとをへたててゆ  きをみると云ことをよみけるに しのむらやみかみかたけをみわたせはひとよのほとにゆきのつもれる  0257:       通親4  宰相4  公卿勅使にみちちかのさいさうのたゝれけるを い  すゝのほとりにてよみける           【む】 いかはかりすゝしかるらんつかへきてみもすそかはをわたる心は  0258: とくゆきて神かせめくむみとひらけあめのみかけによをてらしつゝ  0259: 【お】 (お〕  をなしをりふしの歌に                          【を】                          〔を〕 かみかせにしきまくしてのなひくかなちきたかしりてとりおさむへし  0260: みやはしらしたついはねにしきたててつゆもくもらぬひのみかけかな  0261:                     (つき) ちきたかく神ろきのみやふきてけりすきのもときをいけはきにして  0262:                    【ほ】  【ほ】                    〔ほ〕  〔ほ〕 よのなかをあめのみかけのうちになせあらしをあみてやをあひの神  0263:       昔3 いまもされなむかしのことをとひてましとよあしはらのいはねこのたち  End  親本::   著名:  西行全集所載纂校山家集  底本::   著名:  日本古典文学大系29 山家集 金塊和歌集   校注者: 風巻 景次郎        小島 吉雄   発行所: 株式会社岩波書店   発行:  昭和36年04月05日 初版発行        昭和49年01月25日 第15-2刷発行  入力::   入力者: 新渡戸 広明(info@saigyo.net)   入力機: Sharp Zaurus igeti MI-P1-A   編集機: IBM ThinkPad s30 2639-42J   入力日: 2003年11月10日-2003年12月01日  校正::   校正者:   校正日: