「年中立春」
「年中立春」は「古今集」の巻頭にも詠まれ、
> 0001
> 在原元方
> ふるとしに春たちける日よめる
> としのうちに春はきにけりひととせをこぞとやいはむことしとやいはむ
正岡子規には、
> 先づ古今集といふ書を取りて第一枚を開くと直ちに「去年とやいはん
> 今年とやいはん」といふ歌が出て来る、実に呆れ返つた無趣味の歌に
> 有之候。日本人と外国人との合の子を日本人とや申さん外国人とや申
> さんとしやれたると同じ事にて、しやれにもならぬつまらぬ歌に候。
とばっさりやられています。
西行法師も
新訂山家集
> 0001
> 年のうちに春たちて雨の降りければ
> 春としもなほおもはれぬ心かな雨ふる年のここちのみして
> 0002
> 山ごもりして侍りけるに、年をこめて春に成りぬと聞きけるからに、
> 霞みわたりて、山河の音日頃にも似ず聞えければ
> かすめども年のうちとはわかぬ間に春を告ぐなる山川の水
>
> 0039
> 野に人あまた侍りけるを、何する人ぞと聞きければ、
> 菜摘む者なりと答へけるに、
> 年の内に立ちかはる春のしるしの若菜か、さはと思ひて
> 年ははや月なみかけて越えにけりうべつみけらしゑぐの若だち
と詠んでいる様に、かなり頻繁に起きる事象のようです。
西行関係年表に前年立春(年中立春)を入れてみました。
「求節中表1,2」を使って立春と雨水をExcelで計算させて、
紀法より干支を求めたものです。
何と!一年おき位は年中立春ではありませんか。
これでは同定は到底不可能です。
あきらめました。
おわり。