西行入寂の太陽暦換算
西行MLの大山輝昭氏が西行入寂の太陽暦変換の考察をしておられました。
面白そうなので私も参加させていただきました。
大山氏の推定は3月23日又は3月30日です。
方法1:
日本史小百科「暦」「宣明暦時代の節気・中気を求める表」より
1190年の定数を求める。
第一表
1100
二中 38.08
第二表
90 52.02
両者加算して60で割った剰余がその年の春分。
(38.08 + 52.02) % 60 = 30.10(甲午)-> 旧暦2月10日 -> 新暦3月24日(恒気節季)
従って 旧暦2月16日 -> 新暦3月30日となる。
注:最後の新暦変換に3月20日(定気節季)を使うと3月26日となってしまう。
当時は恒気二十四節季を使用していた。
方法2:
日本史小百科「暦」巻末「年暦表」より
> 西暦 干支 年号 元日 大の月 小の月 換算
> 1190 庚戌 建久元 丙辰 2 4 5 7 9 11 1 3 6 8 10 12 2.14
換算値2.14より
旧暦1月1日 -> 新暦2月14日、
旧暦2月16日 -> 新暦3月30日となる。
大山氏の推定3月30日が正解と思われます。
- 追記1:2002年9月24日 解答編
日本陰陽暦日対応表(下巻1101年〜1872年)の1190年のページより、文治六年(建久元年)二月十六
日の太陽暦換算は三月三十日。
| 緒言 |
凡例 |
中表紙 |
1190前半 |
1190後半 |
奥書 |
- 追記2:2006年5月9日
西行入寂は文治六年(建久元年)二月十六日と推定される。
現代のグレゴリオ暦に換算すると1190年3月30日になる。
但し、グレゴリオ暦は1582年10月15日から施行であるから、
更に、ユリウス暦に換算して1190年3月23日とする考え方もあるが、
私はローマの地方暦で表記する必然性を感じない。
底本::
著名: 日本史小百科 暦
著者: 広瀬秀雄
発行所: 株式会社 東京堂出版
発行: 昭和53年3月20日 初版発行
平成10年2月10日 新装3版発行
国際標準図書番号: ISBN4-490-20217-2