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「阿漕浦」
ここです
・・・さても西行發心のおこりを尋れば、源は戀故とぞ承る。申も恐ある上臈女房を思懸進たりけるを、あこぎの浦ぞと云仰を蒙て思切、官位は春の夜見はてぬ夢と思成、樂榮は秋の夜の月西へと准へて、有為世の契を遁つゝ、無為の道にぞ入にける。あこぎは歌の心なり。
伊勢の海あこぎが浦に引網も度重なれば人もこそしれ
【網】
と云心は、彼阿漕の浦には神の誓にて、年に一度の外は〓を引ずとかや。此仰を承て西行が讀ける、
思きや富士の高根に一夜ねて雲の上なる月をみんとは
此歌の心を思には、一よの御契は有けるにや、重て聞食事の有ければこそ阿漕とは仰けめ、情かりける事共也。彼貫之が御前の簀子の邊に候て、まどろむ程も夜をやぬるらんと云ふ一首の御製を給て、夢にやみるとまどろむぞ君と申たりけん事までも、想やるこそゆかしけれ。・・・
JALLC版機械可読テキスト『源平盛衰記』